父カズオのピアノの発表会に行ってまいりました
千葉県の東金にあります会場は実に風光明媚なロケーションで、最近手に入れましたジープちゃんでドライブがてら向かったのですが、高速をおりてからの道順がよくわからなくなってしまい、東金を通り越して山武というところまで来てしまい、ドライブどころでは無くなってしまいました
父の出演シーンはせまるわ、妹その①や母タエコから「まだ着かないの?」コールが山ほど届くわ(もちろんシカト)もう大変です
アイフォーンで検索し直してひいひい着いたら、出番までにはまだ小一時間ありセーフだったのですが、なぜか不機嫌なふたりにこちらも逆切れしそうなのを抑えながら軽く食事を、のつもりが、遅れてきた罰として寿司を奢らされ、いつかお返ししてやろうと心に決めました
食事後、受付で手に入れましたパンフレットを手に客席に入りましたら、すでに大人の部が始まっておりました
父と同じくらいの年の方々が日頃の練習の成果を披露しているのですが、どの方も見ているこちらが手に汗握る出来映え
先生との連弾なのですが、先生の伴奏と上手く調和しているひと、ちょっと外れてしまっているひと、つまずいてしまって舌をだしてしまっているひと、ハラハラしたり微笑ましかったり、一人頭五分の大劇場です
父が出てまいり、先生の伴奏で奏で始めます
そういえば去年見たときには、演奏の前に、ひとりひとりの紹介コメントを会場のアナウンスのお姉さんが朗々と読み上げていたのですが、今年はそれがありません
その赤裸々な内容に、聞いているこちらが赤面してしまって、ちょっといたたまれなかったのですが、無いとスゴく残念
父の演奏は、伴奏があってもと何の曲だかさっぱりわかりません
パンフレットをみて、「ラブ・ミー・テンダー」だという曲を演奏しているのだという事実はわかりましたが、曲がどの「ラブ・ミー・テンダー」なのかは不明
もしかしたらボクがもともとこの「ラブ・ミー・テンダー」を知らないのかもしれない、と思うほどでした
いや、知らないです、きっと
ひと通りの発表が終わり、「テープの交換をいたします」アナウンスが入ります
どうやら録画しているらしいです
その間に、2脚あったイスが1脚片付けられました
まさか?まさか?
まさか、の、ソロの部が開始されました
先ほどのトップバッターの女性が今度はひとりで登場しました
静かにピアノの前に座りますと、会場に、まさかの自己紹介コメントが朗々と流れ始めました
「孫が生まれてから始めましたピアノ・・子供の頃からの夢・・そんなわたしも今年も喜寿を迎えました・・ちっとも上達しませんが・・先生と仲間に囲まれて楽しく・・」的なことを若い女性が読んでいるのですが、それを黙って鍵盤に視線を落とし聞いている演奏者を見ていると、非常に微笑ましいのですが、こちらも非常に恥ずかしい
紹介が終わって演奏が始まったのですが、伴奏がいない分、先ほどの連弾より格段にクオリティが下がります
会場一同固唾をのんで見守ります
何とか最後まで完奏し、粛々と退場した彼女は幕に入りましたとたん「わあ失敗しちゃったわああ!」っぽく袖中の仲間(おそらく)に首を振ります
その後数人のハラハラ演奏を堪能しました後、父カズオの出番です
17番、鈴木カズオさん
「最近、”あなたの演奏を聴いていると、本当に何の曲を弾いているのかわかりません”と言われます。東京からわざわざ通っているのにショックです。・・・本当にショックです。・・でも一所懸命頑張ります。」
・・ちょっと狙いが見えるコメントの発表の後彼が弾きだした曲は「蘇州夜曲/ハワイの結婚の歌」・・・らしいのですが、彼の紹介コメントにありました通り、まったく、マジまったく何の曲だかわかりません
会場のお客さまも、はてなヅラ
最前列で真剣な顔で携帯ムービーを撮っている妹その①
母タエコはボクの隣で「去年よりも上手くなったわね」とつぶやいてます
ボクはあまりの不明さに思わず吹き出してしまいました
吹き出し前、何の曲かが判別できない時点をパシャリ(ライブです)
父の名誉のために申し上げますが、不思議な事に、父の「蘇州夜曲/ハワイの結婚の歌」はオリジナル音源は不明なのにけっして不協和音にはなっておらず、なんだかモタっとした新しい楽曲のように聞こえてきて、むしろオリジナルなのでは?と思えるほど
もし父が来年も同じ楽曲に引き続き挑戦するのであれば、パンフレットには、「服部良一/チャールズ・E・キング」ではなく、「鈴木カズオ/鈴木カズオ」と記載するように入れ知恵したいと思います
名誉回復になってる?