劇団マグロ女と純情漁師公演、「AとBと一人の女」を観て参りました
東京乾電池の研究生の時に同期だった進藤ヒロノブくんが出演していたのですが、彼は研究生を修了した後、中学だか小学校の教員になって、何を思ったか最近その職を辞してまた役者になって、本公演を行ったのです
何でまた、しっかりとした道から逸れ、こんなフワフワとした世界に戻って来てしまったのか、ボクが彼の親であったら心底から反対したでありましょうが、そこはそれ、まあ本人が決めたことですから、どんな理由があるにせよ、まあ頑張って欲しいものだと思います
さて、乾電池の同期入団で、未だ役者を続けているのは、劇団に残った山地健仁と、フリーの佐々木千夏と、ボクと、進藤くんということになるのですが、劇団研究生という実に特殊な場を共にした戦友というのは、ある意味、家族よりも深い部分でお互いを理解していたりするものです
というのも、ほか団体もそうだと思いますがが、劇団員とは、人間が普段は隠しているとても深い嫌な部分を、意地悪に突っついて面白がる人の集団
その稽古場もまた、意地悪臭がぷんぷんしており、そこにいると自ずと意地悪い目線で相手を洞察してしまうのです
結果家族にも隠している秘密が、あっさり露呈してしまう、という普通の感覚の持ち主だったらとてもじゃないけどいられない場所です
今回、進藤くんがそんな世界に舞い戻って来たのはとても驚きましたが、何より驚いたのは彼の芝居を観ていた時のボクの感覚です
すんごく恥ずかしかったのです
前述の通り、同期でまだ芝居を続けている山地とか千夏の芝居を観ても、そんな感覚にはならないのですが、進藤くんの芝居をみていると、父カズオがピアノの発表会に出演した姿を見た時と、ちょっと違いますが似たような気恥ずかしさを感じたのです
この恥ずかしさは、一体何由来なのか、同伴した同じく乾電池同期で今は切り絵作家をしている青柳に、「キミがボクの芝居を観ている時も恥ずかしいと思う?」と聞いたら、少しの間の後、「・・大丈夫だよ」と返答されました・・
青柳の返事、何が大丈夫なのかというその意図はどこにあるのか推し量りかねましたが、とにかくボクは、「頑張らなきゃ」と思ったのでした
終演後の進藤くんを呼び出して飲み屋で反省会・・のつもりがただの思い出話会になってしまいました
しかも思いっきり失敗したパシャリ、その場では「酷すぎて面白いね!これ貢也大全に載せる!」と笑っていたのですが、酔いが覚めて改めて見てみますと・・
・・ホントひどい
進藤くん、もうひと公演、今晩ですね、頑張ってください