本谷有希子さんのワークショップでご一緒した女優さん松坂早苗さんが脚本を執筆アーンド出演されている舞台、SAKASU ZAKASU第二回公演「hondana」を観に行ってまいりました

初めて訪れました劇場だったのですが、手頃な広さでとても観やすいサイズ
ギリギリに入ってとんでもない席に座ることになってしまったのですが、全く気になることがなくホッとしておりますと、案内してくださった女性に、「鈴木コウヤさんではありませんか!」と、まるで芝居の台詞のような言葉で声をかけられました
見ると、夏のミステリーナイトでいつもお世話になっている樋渡真司さんのマネージャーさん!
そういえば松坂さんは同じ事務所に所属していらっしゃいます
ああ、世間は狭いなあと思いながら開演を待ちます
開演前に会場に流れている音楽は、何だか、ひとりに涙したいときに聞くような感じです
開演5分前に流れた、例の「携帯をお切りください」アナウンスは、邪気の無い(と思わせる)子供の声で、終わりますと再び、過去の懐かしい思ひ出を思い出してひとりでおセンチに浸りたいときに流すような音楽
・・いやあな予感がします
幕前の音楽から開演の音楽に切り替わって会場が暗くなっていきます
いっそうおセンチな音楽で、予感が実感に変わっていきます
暗い中、母親が子供たちに絵本を読み聞かせているようなナレーションが入りました
・・決まりです
ボクが一番に苦手とします、ノスタルジックセンチメンタルものです
ノスセンチ(ノスタルジック+センチメンタル)ものは大好物で、週に2、3本はビデオで見ていますが、とにかく涙腺が緩いボクは、見知らぬ人間が不特定多数集まる場所では、なるべくそのような作品は避けているのです
もちろん、ほかの人はどこぞの誰やも知れぬ男が、ひとりそぞ泣いている姿なんて気にもかけないでしょうが、自意識過剰なボクはそうはいきません
涙を流しているのを見られるのが嫌なこともありますが、そのうち「泣いている自分」に浸ってしまう、とんでもなく面倒くさいことになってしまうのです
でも、まあ、しょうがありません
最悪の場合に備えてこっそりポケットの中のティッシュの位置を確認して、芝居を眺めます
お話は、スゴーくザックリ言いますと、とある兄妹の成長物語なのですが、これがまあ、鈴木家の構成にそっくしなのです
定職に就かずプラプラしている長男
結婚せず、堅実な仕事をし家族を仕切っている長女
自由奔放に生き、ひとり結婚している次女
細部は異なりますが構成は一緒
しかも、ことあるごとにこのダメ長男がしかられている
もちろんボクはあそこまでダメではありません(と思って)おりますが、いい気持ちはしません
後から伺った所では、今回のお話は、作者松坂さんのパーソナルな要素が非常に色濃く出ているのだそうですが、そのエピソードいちいちが自分に向けられているようで、何だか説教をこかれているようです
アーンド想定通り、おノスセンチものでしたので、後半は涙をこらえるのに大忙し
2時間10分の舞台が終わったときには、感動したのと反省したのとで、なんだか非常に疲れてしまったのでした
終演後、外に出て松坂さんに挨拶しようと待っておりますと、山内(ケンジ)さんに偶然お会いしました
「探索」以来です
ボクは、大好きなあこがれの人に会うと前後不覚になってしまって、何を喋っていいのか分からなくなり、非常に意味の無いことをベラベラとまくしたててしまう悪い癖があるのですが、山内さんはそのひとり(あとは柄本明さんとか)
気づかない振りをしてしまおうと思ったのですが、そうも行きませんので挨拶をしにいきますと、「なんでいるの?!」と聞かれました
「・・ええ、と、知り合いが出てましたので・・松坂さんが・・」
「ボクはねえ、松坂さんと春日井さんに来てくれって言われて・・探索のときに」
「ああ、へえ・・」
「ああ、そうか探索のときに一緒に話してたよね」
「あ、はい!」
思い出してもらってよかったとホッとして、芝居のことを聞いてみます
「うーん長かったねえ!」
「よかった!そうでしたよねえ」
第一口の感想が同じだったので、「よかった!」という感想は不適切でしたが、気さくに対応していただいたので、会話を続けられました
よかった・・話しかけて・・と心から思い、駅までの道のりを、緊張しましたが無事に過ごすことができたのでした
そういえば、以前乾電池にいたときに、下北沢で柄本さんを見かけて、思わず気づかない振りをした時があったのですが、何日か後に稽古かなにかで柄本さんにお会いしたときに、「アンタこの前気づかないふりしたでしょ」と言われて、「!ああ、いやあ、・・あわわ、あわわ」となってしまったことがありました
もっともっと演技力を磨かなければ!と、その時は思ったのですが、「そういうことじゃないよ!」と声をかけてあげたいです